前から誰かが失踪するようなことはあった。
自分の彼女もその組織と絡みがあってまだ心に傷を負っている1人だ。
今日は職場のみんなとBBQに来ている。
BBQ場は結構広い。広い草原みたいな、焼け野原いみたいなところだな。
運悪く車を停めた場所からBBQピットまでが遠い。
おれとあかりは先にBBQピットへ行って火をつける係になった。
「結構暑いなー今日」
「BBQ日和やからいいけど、あんま陰がないのがいややねー」
のんきに2人で歩いて向かっていた。
それにしてもなんかカーブが多い。
もーここからは駐車場が見えない。
ふと振り返るとあかりがいない。
「え、だる。」「あかりー!おーい!」
さっきまで近くにいたはずなのに返事はない。
こんなところで1人にされたおれはちょっと苛立って探した。
「自分の先に行っちゃったことはないもんなぁ」
結局駐車場まで探して戻った。
駐車場にある共有の休憩所が何やらうるさい。
そこにあかりがいるに違いない。
苛立ちを隠せないまま休憩所に向かい、絶対問い詰めてやろうとした。
休憩所の中に入ると、奥の方にある便所からあかりの気配がする。
あかりだ。
「おーいあかりー!何してるん?えなんでいきなり戻ってんの?」
絶対あかりなのに返答がない。
「あかり!えなになに、めんどいって笑」
するとあかりが
「なんでもないって。今無理!あっち行って!」
え、意味が分からん。勝手に置いてけぼりにされたのに何。
おれは便所に歩み寄った。
すると、便所にいるのはあかりだけじゃない。
けいごが出てきた。
「しんたろうちょっと待て」
「え何、なんで止めてんの?」
何故か便所に入るおれを止めようとするけいごを簡単に振り払った。
「ほんとに今はダメだからまって!入ってこないで!」
あかりが叫んでいる。泣いてる?
便所に入ると、女子トイレなのに大柄な男達が3、4人。ある一つの大便器の個室を囲んでいる。
「は?」
まじで状況が読めなかったが、おれはその個室にあかりがいると確認し歩み寄った。
ん、大山さん?が、しゃがんで誰かに抱きついている。
「大山さん、どうしたんです、、か」先輩の大山さんの肩が震えている。
背中の大きい大山さんが立ち上がると、そこには丸山がいた。失踪してた丸山。
おれは尻餅をつき、状況を確認しようと周りを見渡したが、みんなも恐怖の目をしていた。
衝撃のあまり隣にいたこうきの手を握りしめていた。
約半年前から失踪しているのに何故!ついに見つかったのか!
首の後ろあたりの大きな傷口から流れる大量の血。
顔の皮膚は、無理やり剥がされたかのように爛れている。
目は、何かを恐れている。
最近失踪事件は減っていたが、いざ目の前すると恐ろしすぎる。
一瞬彼女のことが心配になった。
近年蔓延る謎の集団。その集団の正体は明らかになっていない。
その集団のすることは残酷すぎる。餌食になった人たちは皆いきなり失踪し、
サイコパス集団に囚われた人たちは、グロテスクと言わんばかりの傷を体に負う。
聞けば、BBQピットに向かう道中、おれの後ろを歩いていたあかりは草むらに埋もれ傷ついた丸山を発見したという。
まだこの近くに集団がいるかもしれない。
便所の外から中が見えないよう、みんなしゃがんだ。
まだ丸山は震えている。自分も震えている。
一体丸山に何が起こったんや。

